葉酸サプリは妊娠後期も必要?赤ちゃんが喘息になりやすい?!

胎児の先天障害のリスク低減に効果があることから、妊娠前~妊娠初期の女性に摂取してほしいのが葉酸です。

葉酸を効率的に摂取するために多くの人がサプリメントを利用していますが、妊娠初期を過ぎても葉酸サプリを摂り続ける必要はあるのでしょうか?

ここでは特に妊娠後期における葉酸サプリの必要性や、摂りすぎによるリスクについてご説明したいと思います。

妊娠中に葉酸が必要な理由

妊娠前~妊娠初期はもっとも重要な栄養素

葉酸の効能として広く知られているのが、細胞の形成を促進するはたらきにより胎児の先天障害リスクの発症率を低減するというものです。
細胞分裂が活発になる妊娠初期に葉酸不足になると、神経管閉鎖障害などの先天性の奇形や発育不全が起こりやすくなってしまいます。
このことから妊娠初期に入った妊婦さんはもちろんのこと、妊娠を計画していたり妊娠の可能性がある人も、しっかりと葉酸を摂取する必要があります。

妊活にも効果あり

葉酸には子宮内膜を強化して着床しやすくするはたらきや、造血作用によって冷えの改善して生殖機能を高めるはたらきがあります。
このように妊娠しやすい体づくりのためにも、葉酸は大きな役割を果たします。

妊娠中期以降にも必要

葉酸は母体の貧血予防や母乳の分泌促進など、妊娠初期を過ぎてもさまざまな効果をもたらすことが分かっています。
妊娠中期~産後の授乳期まで、継続して摂取が必要となる栄養素です。

妊娠後期にはどんな効果があるの?

妊娠後期にあたる妊娠8ヶ月~10ヶ月前後には、おなかの赤ちゃんもかなり大きくなってきます。

胎児の成長に必要

葉酸には赤ちゃんの細胞分裂を促進して正常な発育を助けるはたらきがあります。

造血作用による効果

妊娠してからすくすくと成長を続ける赤ちゃんに栄養素や酸素を運ぶ血液が大量に必要になるため、妊娠中期以降お母さんの体は貧血に陥りやすくなります。
葉酸には赤血球を作り出す造血作用があるため、葉酸を摂取することで貧血を予防することができます。
また血流が活発になることで、しっかりと赤ちゃんに栄養素や酸素を届けることができるのです。

妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)を予防する効果にも期待

妊娠後期に起こりやすい病気として、妊娠高血圧症候群いわゆる妊娠中毒症が挙げられます。
妊娠高血圧症候群は主に高血圧によって引き起こされやすく、妊娠中は体質やストレスなどさまざまな原因から高血圧になりやすいといわれています。

妊娠高血圧症候群が悪化すると胎盤や子宮への血流が滞り、死産や早産、低体重や未熟児などの原因となります。
また重症化すると帝王切開を余儀なくされたり、母体が生命の危険にさらされる可能性もあります。

葉酸には胎盤への血流障害を改善する効果に関する研究報告もあり、葉酸摂取により妊娠高血圧症候群を予防できる可能性について現在も研究が進んでいます。

妊娠後期に葉酸を摂ると喘息になる?

妊娠後期の葉酸摂取について、胎児の喘息発症につながるという話を耳にしたことがある人もいるかと思います。
これは2009年に発表されたオーストラリアのアデレート大学による研究結果にもとづいているものです。
それによると、妊娠後期に1000μg/日の合成葉酸サプリを摂取していた場合、3~5歳にかけて小児喘息になるリスクが高まる、という内容になっています。

大切な赤ちゃんが喘息になるという話には不安を感じますが、これだけを聞いて心配する必要はありません。
上記の研究結果について現段階では確実性が疑問視されており、また1000μgもの葉酸をサプリで摂取する可能性は、日本では限りなく低いからです。

日本における厚生労働省の葉酸推奨量は、妊娠後期で食事と合わせて480μgですから、この基準を目安に摂取している限り、1000μgという大量摂取のおそれはないということです。

過剰摂取には注意が必要

前述したとおり、葉酸を摂りすぎることによる喘息リスクが一部で指摘されています。
このほかにも葉酸を過剰摂取した場合、かゆみ、むくみ、吐き気、発熱など、さまざまな副作用の症状があらわれることがあります。

ただ天然の葉酸は水溶性という性質から、摂りすぎたとしても尿として排出される割合が高いため、食事から摂る葉酸だけで過剰摂取になる可能性はきわめて低いです。

いっぽう体内吸収率が良い葉酸サプリ(モノグルタミン酸型葉酸)を飲んでいる場合には、摂りすぎにならないようある程度の注意が必要になります。
厚労省によると、モノグルタミン酸型葉酸の耐用上限量は、18~29歳の女性で1日900μg、30~49歳の女性で1日1000μgとなっています。

ただし妊娠初期以外の妊婦さんの推奨量は食事と合わせて480μgですので、さほど心配する必要はありません。
もっとも葉酸摂取が重視される妊娠初期でも、その推奨量はモノグルタミン酸型葉酸で400μgとされていますから、上限量を上回る可能性は低いといえます。

葉酸は不足すると母子ともにさまざまなリスクが高まりますので、葉酸の摂取は不可欠です。
過剰摂取に関する正しい知識をふまえながら、用量をきちんと守った上で葉酸の摂取を続けることが大切になります。

妊娠後期に摂りたいその他の栄養素

妊娠後期には赤ちゃんの成長をサポートしながら、出産に備えてママの体をしっかり整える必要があります。
この時期に葉酸以外で摂取が必要とされる主な栄養素を挙げてみました。

カルシウム

赤ちゃんの骨や歯の形成に必要なほか、ママの骨がスカスカにならないよう、カルシウムをしっかり摂る必要があります。

鉄分

赤ちゃんの栄養補給のために血液が盛んに使われるため、妊娠中は貧血に気をつける必要があります。
造血作用が有効な葉酸の他にも、血液中のヘモグロビンの主成分となり血液の生成にかかわる鉄分についても十分な摂取が望まれます。

カリウム

妊娠高血圧症候群の原因となる高血圧を予防するために、体内の余分な塩分を排出するカリウムの摂取が有効になります。

ビタミンC

ビタミンCには鉄分の吸収率を高めるはたらきがあります。
また免疫力を高める効果も期待できるため、妊娠中には積極的に摂取したい栄養素です。

たんぱく質

赤ちゃんの発育に合わせ、筋肉や皮膚、髪の毛などの生成にアミノ酸が重要になるため、良質なたんぱく質を摂る必要があります。
たんぱく質はママが出産に必要な体力や免疫力を付けるためにも大切な栄養素です。

まとめ

葉酸は妊娠初期に必要なだけでなく、それ以降も重要なはたらきをする栄養素です。
おなかの中で目覚しい成長を見せる赤ちゃんの体づくりのためにも、また元気な赤ちゃんを無事に産むためのママの体づくりのためにも、妊娠後期の葉酸摂取は欠かせません。
過剰摂取による喘息のリスクについては、推奨量を守って摂取していれば心配はありません。

この時期にはお産に向けて心も体も準備を整えることが大切になります。
そのためには日頃から規則正しい生活や質の良い睡眠を心がけ、ストレスがたまらないよう気をつけましょう。

葉酸をはじめ妊娠後期に必要な栄養分をしっかり摂取できるよう、栄養バランスの良い食生活を基本としつつ、足りない分の補給にはサプリメントを活用するのがおすすめです。
また太り過ぎるとお産が困難になることもあります。
安産のためには食物繊維を多めに摂ったり、適度に体を動かすようにして、きちんと体重管理を行うことが重要になります。